毎日、殺人的な暑さが続いています。
皆さま、ご無事でしょうか?
連日35℃以上の猛暑ですので、私も朝から晩まで、
クーラーかけっ放しの毎日を送っています。
窓を閉め切っていると、外気に触れることがなく、鳥の声も、人の足音も聞こえません。
涼しいのですが、無音のカプセルに入っているような気がします。
暑いと、ついつい辛いとか、嫌だ、というネガティブな思いばかりが
湧きおこってきます。でも、
暑いことからでも、いいエピソード、楽しい思い出がつながっていることはあるのです。
私にも、親子関係で悩んだ時期がありました。
そのようなときには、想像もできませんでしたが、
今では、暑い、ということからでも、
ワクワクするような、素敵なエピソードを思い出せるようになりました。
私の心が、ずいぶん回復したからですね。
たとえば、私は、こんなことを思い出しました。
だいたい、昔はこんなに暑かったでしょうか?
私が子どものころは、暑くても、せいぜい30℃くらいまでだったような気がします。
窓を開けっ放しにして扇風機を回していれば、しのげる暑さでした。
窓を開けっ放しで扇風機、といえば、昔の電車です。
私が子どものころ、夏休みになると、
母は兄と私を連れて、母の実家に里帰りしていました。
昔ですから、新幹線ではエアコンがきいていますが、
在来線では、空調といえば、窓を開け放して、車内に据え付けた扇風機が回るだけです。
そのような中を2時間も3時間も電車に揺られるのですから、厳しい旅だったはずですが、
厳しい、暑い、という記憶がまったくありません。
全開の窓からは、涼しい風が勢いよく入ってきました。
窓の外には、陽の光に輝く、青々とした田んぼの風景が流れていきました。
踏切りや鉄橋を渡るときには、カンカンカンカンとか、ゴトンゴトンゴトンという、
激しい機械音が轟きました。
トンネルに入ると、真っ暗闇の車内に、天井の丸い蛍光灯が妖しく光りました。
そして、突然、ひなびた田舎の匂いや、
海辺であれば、磯の香りが漂ってくることさえありました。
半世紀以上経った今でも、その感触や音、匂いを私は覚えています。
なんて心躍る体験だったことでしょう !
猛暑で困っていたはずなのに、心の宝箱の底には、こんなに素敵な
思い出が隠されていました。
一見嫌なこと、辛いことから、いいエピソード、楽しかった思い出を探していく習慣を身につけると、
人生の色合いが、透き通って、綺麗なものになっていきますよね。
それにしても、夏の過ごし方も、旅のあり方も、昔と今とでは、こんなに変わってしまったのですね。
時の流れを感じます。
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